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平行移動(x軸方向・y軸方向)— \( x \) を \( x-p \) に換えると右に \( p \) 動く理由


問題

放物線 \( y = x^2 - 6x + 11 \) について答えよ。

(1)この放物線はどの放物線をどのように平行移動したものか。移動量(x方向・y方向)を求めよ。

(2)さらに \( x \) 軸方向に \( -2 \)、\( y \) 軸方向に \( 1 \) だけ平行移動した放物線の式を求めよ。


平行移動とは何か

「平行移動」とは、グラフ上のすべての点を同じ方向・同じ距離だけ動かす操作です。

放物線の形(開き具合・向き)は変わらず、位置だけが変わります。\( y = f(x) \) を \( x \) 方向に \( p \)、\( y \) 方向に \( q \) だけ平行移動した放物線の式は

$$ y = f(x - p) + q $$

なぜ x を x-p に換えると右に動くか

「右に \( p \) 動かすのに \( x - p \)(引き算)になる」という事実は一見逆に見えます。図で確認します。

下の図で、元の放物線 \( y = x^2 \)(左)と移動後の放物線(右)を見てください。

平行移動:移動前後の放物線の比較

移動後の放物線 \( y = (x - 3)^2 \) の頂点は \( (3, 0) \) にあります。

考え方: 元の放物線は \( x = 0 \) で頂点に達します。「\( x = 3 \) のとき元の頂点の高さになる」放物線が欲しいとき、\( x - 3 = 0 \)、つまり \( x = 3 \) を頂点にするには \( f(x - 3) \) と書きます。「\( x - 3 \) が 0 になる点」を頂点にする、という操作が \( x-p \) への置き換えの意味です。


問題の解き方

(1)平方完成して移動量を読む

\( y = x^2 - 6x + 11 \) を平方完成します。

$$ y = x^2 - 6x + 11 = (x - 3)^2 - 9 + 11 = (x - 3)^2 + 2 $$

これは \( y = x^2 \) を \( x \) 方向に \( 3 \)、\( y \) 方向に \( 2 \) だけ平行移動した放物線です。頂点は \( (3, 2) \)。

(2)さらに平行移動する

頂点 \( (3, 2) \) を \( x \) 方向に \( -2 \)、\( y \) 方向に \( 1 \) だけ動かすと、新しい頂点は

$$ (3 + (-2),\ 2 + 1) = (1, 3) $$

この頂点を持ち、\( x^2 \) の係数が \( 1 \) の放物線は

$$ y = (x - 1)^2 + 3 = x^2 - 2x + 4 $$

まとめ

$$ y = f(x) \text{ を } x \text{ 方向に } p \text{、} y \text{ 方向に } q \text{ 平行移動} \implies y = f(x - p) + q $$

逆問題の手順: 式を平方完成 → 頂点形 \( a(x - p)^2 + q \) から移動量を読む。


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