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平行移動と対称移動の合成 — 変換の順序が結果を変える


問題

放物線 \( y = x^2 - 4x + 3 \) に対して、次の各変換後の式を求めよ。

(1)\( y \) 軸に関して対称移動してから、\( x \) 軸方向に \( 3 \) だけ平行移動する。

(2)\( x \) 軸方向に \( 3 \) だけ平行移動してから、\( y \) 軸に関して対称移動する。

(1)と(2)の結果を比べ、変換の順序が結果に影響することを確認せよ。


合成変換の考え方

「2つの変換を順番に行う」ことを合成変換といいます。

合成変換では変換の順序が重要です。「先にAをしてからB」と「先にBをしてからA」は、一般に異なる結果をもたらします(例外は後述)。

下の図で、2通りの順序それぞれの変換後の放物線を比べてください。

平行移動と対称移動の合成:変換順序の違い


問題の解き方

まず元の放物線を平方完成します。

$$ y = x^2 - 4x + 3 = (x - 2)^2 - 1 $$

頂点は \( (2, -1) \)。

(1)y 軸対称 → x 方向に 3 移動

Step 1: y 軸対称 (\( x \) を \( -x \) に換える)

$$ y = (-x - 2)^2 - 1 = (x + 2)^2 - 1 $$

頂点が \( (2, -1) \) から \( (-2, -1) \) に移動。

Step 2: x 方向に 3 移動 (\( x \) を \( x - 3 \) に換える)

$$ y = (x - 3 + 2)^2 - 1 = (x - 1)^2 - 1 $$

頂点が \( (-2, -1) \) から \( (1, -1) \) に移動。

(2)x 方向に 3 移動 → y 軸対称

Step 1: x 方向に 3 移動 (\( x \) を \( x - 3 \) に換える)

$$ y = (x - 3 - 2)^2 - 1 = (x - 5)^2 - 1 $$

頂点が \( (2, -1) \) から \( (5, -1) \) に移動。

Step 2: y 軸対称 (\( x \) を \( -x \) に換える)

$$ y = (-x - 5)^2 - 1 = (x + 5)^2 - 1 $$

頂点が \( (5, -1) \) から \( (-5, -1) \) に移動。


結果の比較

  変換順序 頂点
(1) y軸対称 → x方向+3移動 \( y = (x-1)^2 - 1 \) \( (1, -1) \)
(2) x方向+3移動 → y軸対称 \( y = (x+5)^2 - 1 \) \( (-5, -1) \)

(1)≠(2)。変換の順序を変えると結果が異なります。


なぜ順序が結果を変えるのか

「\( y \) 軸対称」の操作は「\( x \) の符号を反転」させます。この操作の前後に「\( x \) を \( x-p \) に換える(平行移動)」があると、反転の対象が変わります。

直感: 「右にずらしてから左右反転」と「左右反転してから右にずらす」は別の操作です。前者は反転後に右移動分が残り、後者は反転後に元のずれが逆方向に見える。


例外: 順序が結果に影響しないケース

次の2つの変換は交換可能(順序を変えても結果が同じ)です。


まとめ

合成変換では、変換を行う順番が重要です。

手順:

  1. 式を平方完成して頂点形にする
  2. 変換を「左から順番に」式に適用する(\( x \) の置き換え・\( y \) の符号反転を1ステップずつ)
  3. 最終的な式を整理する

「どの順番でどの操作をしたか」を1ステップずつ丁寧に追うことが、合成変換のミスを防ぎます。


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