次の問いに答えよ。
方程式 \( x^2 + (a-3)x + a = 0 \) の2解がともに正となる実数 \( a \) の範囲を求めよ。また、2解がともに負となる実数 \( a \) の範囲も求めよ。
この問題では、方程式を解いて \( x \) の値を求めるのではなく、「2解がともに正(または負)」という条件から、パラメータ \( a \) の範囲を逆算します。
\( f(x) = x^2 + (a-3)x + a \) と置くと、方程式の解は放物線 \( y = f(x) \) とx軸との交点の \( x \) 座標です。「2解がともに正」とは、その交点が2つとも \( x > 0 \) の範囲にあることを意味します。
放物線 \( y = f(x) \) が「\( x > 0 \) の範囲に2点でx軸と交わる」ためには、次の3条件がすべて必要です。
まず下の図で、「ともに正」(左)と「ともに負」(右)の放物線の形がどう違うかを確認してください。

条件1: 判別式 \( D \geq 0 \)
実数解が2つ(または重解)存在するための条件です。\( D < 0 \) では放物線がx軸と交わらず、解が実数になりません。
条件2: \( f(0) > 0 \)
\( f(0) > 0 \) は「\( x = 0 \) での放物線の値が正」すなわち「放物線が \( x = 0 \) でx軸より上にある」ことを意味します。これが成り立てば、\( x = 0 \) は2解の外側(2解はともに正の側)にあることが保証されます。
条件3: 軸 \( > 0 \)
軸(頂点の \( x \) 座標)は2解の中点です。軸が正の範囲にあれば、2解の平均が正、すなわち2解はともに正の方向にある可能性が確保されます。
条件1だけでは「実数解が存在する」ことしかわかりません。条件2だけでは「\( x = 0 \) が2解の外にある」ことしかわかりません。条件3だけでは「解の中点が正の側にある」ことしかわかりません。
3条件のうち1つでも欠けると、条件を満たさない配置の放物線が混入します。たとえば条件2を外すと「2解ともに負」の放物線も条件1・3を満たすケースがあります。
2解がともに負のときは、条件2と条件3の向きが変わります。
この対称性から、「ともに正」と「ともに負」の条件は軸の不等号だけが逆になる構造だとわかります。
各条件は「実数解の存在」「解が0の外側にある」「解が正・負どちらの側にあるか」をそれぞれ独立に保証しています。
この単元全4問(同符号・異符号・区間内・解が区間を挟む)の解説PDFをダウンロードできます。